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いつまでも大事にしたい、父が母に贈った腕時計

受験で腕時計を持参するよう言われ、探していた頃でした。

当時はまだ中学生で自分用のきちんとした腕時計を所有していなかったので母親に腕時計を借りれないかと相談しました。

そこで母はドレッサーにしまっていたアンティーク調のデザインの腕時計を私に貸してくれました。

有名な時計ブランドのもので、シンプルで上品な腕時計でした。

何十年前のものであったそうですが、機能的に問題がなかったのでその腕時計を借りることにしました。

試験が終わり、その腕時計を母親に返すと、その場にいた父がその時計は俺がずっと前に母親にプレゼントしたものだと言いました。

私が生まれる前にプレゼントした大事な腕時計を借りてしまったことに少し申し訳なく思いましたが、

この腕時計が父による母への愛を意味し、長い間時を刻んできたことを思うと胸がじんわり温まりました。

そして父はこの腕時計を私が使えば良いと言いました。

プレゼントしたものなのに良いのかと私は思いましたが、母にはまた新しいものをプレゼントする、ということでした。

私は父と母の時間を刻んできたこの時計を一生大事にしたいと思っています。

そしていつか私がこの時計を子供に受け継いで、再び時間を刻みながら家族を見守ってほしいと思っています。